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退屈は嫌いか?

「恋の渦」とかいう映画が生々しすぎて気持ちが悪い!! アマプラ会員必見!!

映画というのはエンターテイメントであり、映像の中とこちら側は完全に隔離された世界である。たとえスクリーンの中の主人公に一帯になろうと、それらは永久に画面の向こう側であり、第三者視点からみた登場人物に想いを馳せたり、泣いたり、笑ったりする。劇場の延長上だと思っていた。

しかし、その考えを根底から覆す映画に出会ってしまった。

 

「恋の渦」である

 

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恋の渦

恋の渦

 

 


 

この映画、パッケージからして低予算映画の香りがするのだが、その通りだ。なんと演者は顔合わせ1週間でクランクイン、わずか4日間で撮り上げた、最高にファンキーな映画である。

 

この映画、凄まじくリアリティを持っている。カットインや背景に変化はほぼない。4つくらいの一室を定点で写し続けているし、まるでそこにカメラが置いてあるだけのような、絶妙な空気を映像内に落とし込んでいる。

 

一体監督とは誰なんだと調べたところなんと(パッケージに書いてあるけど見てなかった)

 

大根仁さん!!

 

テレビドラマの演出家であるとともに、映画監督でもあります。やはりあの「モテキ」を作られていると聞いて納得しました。さらに、モテキ』は自身で初監督を担当されて第35回日本アカデミー賞話題賞・優秀作品部門を受賞なさっているという凄まじさ。

ja.wikipedia.org

 

モテキについても語れば止まらないが、普段は演出をされているだけあって非常にも白いカットインや、演出によって見ていて飽きない絵作りだったことを記憶しています。

 

それはこの「恋の渦」では、フルに発揮されていると思います。役者もバリバリの大物俳優でもないし、用意された場面がこんなにも少ないのこの映画は2時間20分もあるんですよ笑

ストーリーに関してもネタバレは避けますが、誰しもが持つ人間の卑しさや欲望、人間関係のいざこざなんかを描きながらも、DQNと呼ばれる人々(端的にいうと頭の悪そうな集団)をこれでもかというくらい生々しくリアルに描いています。

映画やドラマでは現実よりも少し大げさな演技をあえてすることが多いのですが、映画の役者の演技も良くも悪くも映画らしくありません。現実的な間の取り方や空気感が終始この映像の中に漂っています。

 

この絶妙なリアルさと、次々と部屋が回っていく映像によって、2時間以上も全く苦痛ではないのです。

 

パッケージにあるように、そういうシーンがあるので例によって例のごとく、家族や友人と見るときは注意が必要です。