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退屈は嫌いか?

iPad pro2020の購入は極力避けるべき!? 新製品発表から見るアップルの憂鬱

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現在の世界情勢の影響もあり、発表会ではなくサイレント発表となった

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日本時間の3月18日の夜、AppleはiPad ProやMacBook Airなどの新製品を発表した。iPad Proでは背面に超広角カメラと3D認識用のLiDARスキャナを搭載するなどARへの強化が図られ、MacBook Airでは性能向上しながらも999ドルから。

 

今回の発表で魅力的だったのはAirと言える。実質的にすべての性能が上がっており、MacBookを購入検討予定だった人は動画編集や写真編集など特段の高性能を求めない限り、選択肢としてかなり良い製品である。

ただiPadPro…オメェはだめだ。

 

目次

 

びっくりするほどびっくりしないiPad Pro

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相変わらずのコンピューター扱い

appleといえばどんな企業に皆さんは感じるだろうか?

最初から最後まで設計を担当し、オリジナルのハードにオリジナルのソフトを載せた独自のプロダクト、独自のサービスを併せ持ち、さらに親和性の高いそれらを使ったエコスシステムが象徴的な企業です。

昔から少し高めの家電ブランドで日本企業で言う「ソニー」に近い。少し高いけれど値段以上の高品質のを作っているイメージだ。

 

しかし、近年では様子がおかしい。自社のプロダクトで職場やプライベートの環境を構築したユーザーの足元をみた価格設定、どう見てもユーザー視点に立てていない製品デザイン、進化の甘くなったOSアップデート、革新性に乏しい新製品。

 

今回のiPad Pro はそれくらいびっくりしないアップデートでした。

これがProの名を冠していなかったらもう少し反動は少なかったのかもしれない。ただキーボードとペンシルに対応した初代、iOSで初となる120Hzに対応したディスプレイを搭載した第二世代、全く新しいペンシルでFaceIDやUSB-Cを搭載した第3世代と比べると今回の第4世代の驚きは「カメラ」…くらい…

そのカメラもiPhone11と同様に超広角と広角レンズを搭載し、アップル製品では初となるLiDARスキャナを搭載。この機能は主にAR技術の補助として使うことが紹介されており、ポートレートの撮影やその他の機能についてはまだまだ不明です。

 

アップルでは前々からARに注力している姿があった。Appleストアで開催されている「Today at Apple」ではARを使ったセッションが催されていたり、AppStoreでもARのアプリ特集が度々組まれていた。

最近はサービス重視の展開が目立つアップルだが、AR機能を初搭載するのはiPadProにする必要があったのかは疑問である。カメラに関しては、日本では少ないが海外の人はiPadで撮影する人も意外と少なくないので、世界全体の需要を見れば必要なアップデートだったのかもしれない。

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内部のメモリがどうだとか、性能がどうだとかは正直毎度上がる上にアップルはあまり細かな公表はしない。しかし毎度チップの紹介ページに書かれている「○○%早い処理能力」や「〇〇%早いグラフィックス」などが書かれていないのが、今回のA12ZBionicチップだ。

嘆かわしいことに「ほとんどのノートパソコンより高速」という曖昧かつ、なんの強みにもならないことを言っている。正直言って2018年のiPadProの性能に不満を持っている人は少ないだろう。既にノートパソコンを超える性能だからね!

 

 

 

 

 

 

iPadを一番苦しめているのはiPadOS

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そういは言うものの、ノートパソコン以上に拡張性や同時処理が不可能なことと、性能を使い切るほどのアプリがほぼ存在しないことが、よく言われる「iPadはどれを買ってもできることはほぼ同じ」と言われる所以です。

例えばMacであれば「こういうことをしたい」という需要に対して、性能に依存することが多い。そんな人のために持ち運べるProとAirが存在しているし、持ち運ばない環境の人のためにiMacシリーズとMacProがある。

iPhoneであれば仕事でもプライベートでもカメラを使う人のために11PROがあるし、そうでない人のために11やXRがラインナップに並んでいる。

 

iPadは現状軒並みPencilが使える上に、軒並みキーボードにも対応している。大きく違うのはカメラと性能くらい。

 

正直作業効率に影響するディスプレイサイズが大きく変わる12.9とミニ以外は、ほぼ同じサイズな上に、日常で使う用途であれば最安34800で変えてしまうiPadで事足りてしまうわけだ。

動画編集をするにも写真編集をするにもMacbookやWindowsのような本格的なことができるわけでもないiPadProはデザインを仕事や学業にしている人やスマホゲームを思いっきり遊びたい人、アップル製品大好きな人くらいしか突き刺さるターゲットが存在しないのだ。

 

現状ではiPadOSの動向にもよるが、本来の性能を使い切ることのないProは正直可哀相である。アップルとしてもipad版finalcut proを出すとか、PRO向けのアップルArcade(例えばHDコンシューマー機のゲームを出すとか)を出すとかしてほしい。

よくMacOSを載せてほしいという声があるが、意地でもアップルがそれをしないと思うし、正直WINDOWSタブレットを見て、OSと操作方法(タッチかマウスかという問題)は大切だと感じた。

iPadはiPadの得意分野があるし、それを伸ばしてほしい。そしてコンピューターというなら拡張性をもたせてほしい。次のアップデートでいい加減ドロワーとか出てきても良いと思う。

 

 

いつも目を引くのはアクセサリーです

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確かに凄いけど…

今回一番プッシュというか、ネットでも期待されているのが、こちらのアクセサリー。

なんと待望のトラックパッドが搭載されて、キーがシザー式になりました! 価格3万円とこれまたぶっ飛んだ価格設定。東プレのリアルフォースかよっていう…

 

最近のアップルはアクセサリーを自社のプロダクトと合わせて使うことをやたら推奨してきます。今回一番話題を読んだのが本体よりもアクセサリーって相当笑っちゃいますけどね。(しかも発売日には出ない模様)

 

思えば大当たりして高評価続出のAirPodsもあのApple Watchもアクセサリーと言えます。ここ数年アップルが新規で打ち出した新製品は結構アクセサリー。

iPhoneやiPadと組み合わせて使うと便利ですよ-っていう製品ばかりで、それが今まで誰も見たことのない製品であったり、生活の可能性を大きく変えてくれるものであったことは少ないです(Apple Watchで変わった人は少なからずいるとは思うけど)

ただ、この異常なまでのアクセサリー推しは納得とも言えます。アップル製品は世界的に見ても高級品ですし、買う人の母数は結構限られています。であればリスクを背負って新製品(例えばiTVやiCAR)などの開発に踏み切るよりは、今いるユーザーをもっと長くいてもらえるようにするほうが、アップルとしては良い。

だから自社サービスを使ってほしいし、自社のアクセサリーをつけて拡張して欲しいのだと思う。近年見る低価格なモデルの登場(iPadの大幅価格改定、噂されている廉価モデルiPhone)なども、窓口を広げるという意味で始めたのもあるだろう。

 

だが価格設定は相変わらずおかしいです。MacProあたりから値段表記おかしいと思います。数万円のキャスターやディスプレイスタンドはお家芸となっていますし、今回のキーボードが3万円する意味が分かりません。2万円でも高い。

 

 

 

来年までにProは全く新しくなります

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ずーっとリークされている今年の秋から来年までに出そうなモデル

その名がiPadProを冠しているかは定かではないが、前々から新型iPadの噂は出ている。

今回発表されたのは、そのリークの一部としては正解であったが、また一部としては不正解になっている。

しかし、近々そういった上位機種が出ることを踏まえれば今回のPROが微妙な理由に納得がいく。

 

・性能がA12Zという微妙な名称

ウイルスの影響で、今後の生産も不透明になったアップルとしては省電力かつ高性能なA13はiPhoneの生産ラインに使いたいor新製品のiPad/iPhoneに搭載したい。

生産が安定しているA12は、ある程度の供給が完成している。

 

・今回の進化がそもそも微妙

それは近々出るiPad Pro2020 late?がとっても革新的だから。今回価格が下がって容量がアップしているのが何よりもの証拠。今回はマイナーアップデートに過ぎず、フルモデルチェンジが近いことを同時に知らせている。

 

・そんな頻繁なアップデートが来るのか

実は去年Macbook Pro2015で同じ現象が起きている。去年の春にモデルチェンジ、秋には16インチのフルモデルチェンジがされている。iPadでも短い間隔でのアップデートは来る可能性は十二分にある。

だからこそ、今回のモデルを買うなら2018年のProを買うか、次まで待つのが吉と言える。

 

ミニLEDディスプレイが搭載されると噂される次期iPad。有機ELで問題となっていた焼付きや寿命の問題をクリアした発色の良い鮮明なディスプレイで知られている。iPad Proのユーザーが一番望んでいるのは、あっと驚くような性能のアーキテクチャとディスプレイやタフなバッテリー稼働時間だ。

そのどれにもアップデートのない今回の発表は非常に残念だ。

 

 

 

 

わたしたちはもっとクレイジーに

やるならやりすぎくらいのほうが、アップルらしいと思ってしまう。そういう意味ではMacProやiPhoneXのときはアップルらしくて楽しい発表だったと言える。しかし再起では、何がしたいのかすらわかりづらくなってきた。

例えばMacBook proに載ってるTouchBar。こいつは出た当時から何に使うのかさっぱりわからなかったし、未だに何に使うと便利なのかがわからない一品になっている。

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ファンクションキーを消してまで搭載したい価値を見いだせるか

こいつが凄いのは、修理費用が嵩む上に、アップルがこのタッチバーをPROにしか頑なに搭載しない点にもある。今回のAIrには搭載していないし、去年アップデートされた16インチのProではエスケープキーが独立したボタンになっていた。

さらにアップルが出しているMagic keyboadには一向にタッチバー搭載モデルが出てこない。そんなにプッシュしたいならなぜ載せないのか?

 

作業効率が命と言っても過言ではないPROモデルでこの仕様は流石にひどいと思った。タッチバーでアップルがやりたいことが見えないし、ブラインドタッチする人からしたらいらない機能の極みである。

 

今回のマイナアップデートも中途半端である。iPad Pro Sとかならわかるけど、第4世代と名乗るほどのモデルではない。iPadを本当にコンピューター扱いにしたいのなら、iOSの亜種として生まれたiPadOSをMacのよう5年6年とアップデートしてほしい。

個人的にiPadはiPhone以上にもっと多くのユーザーに広げられると思う。価格としてもリーズナブルな上に、お手頃にiOSに触れることができる。

iPhoneがなくともAndroidの人も手が出しやすく、現状世界で最も優れたデザインのタブレットだと思う。

だからこそ、タブレットとして不動の地位を築き続けてほしい。ただのでかいiPhone からは卒業しましょう。

 

 

 

 

アップルは迷っています

アップルは終わったと何度言われたでしょう。それから何年がたったでしょう。未だなお時価総額世界一の企業であり続け、新製品は在庫数は定かではないですが、品切れが続出しています。

 

革新性を打ち出したくとも今ひとつ様子見感が否めない企業になってしまったアップル。全く新しいものよりは、今あるものをより良く。といった行動が最近非常に目立つちます。

 

現状新規製品としてリークされているのはApple純正のヘッドホンAirpodsXと言われる存在

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これもまたアクセサリー

突如としてオーディオ事業を自社ブランドとしてリリースし始めたAppleですが、以外や以外、他の中堅オーディオメーカーに引けを取らない万人受けする音質と、強力なノイズキャンセリング、自社プロダクトとの親和性、接続の安定性などから好評を博しているオーバーイヤーヘッドホンモデルの登場が噂されています。

 

おそらくバッテリー駆動時間の伸びた強力なノイズキャンセリング搭載のヘッドホンだと思われます。リークだと機能に関する情報は少ないですが、期待値としてはAirPlay(Wi-Fi経由で高音質なワイヤレス再生)やきちんとしたドライバーを搭載して低音の強化を図っていただきたい。

 

 

そしてAR機能の象徴とも言えるゴーグル型のプロダクト

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画像はさきほど同様、あくまでイメージです

アップルはAR推しが、非常に強いです。

 

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もし、バーチャルとリアルの境界がまったくなくなったら。

あなたの教室が宇宙になる。
過去が現在のように鮮やかによみがえる。
見慣れたものが、まるで見たことがないもののように見える。

iPhoneとiPadでは、こうした体験が可能になるだけではありません。
あなたの手元にあるのです。拡張現実は、あなたの働き方、学び方、
遊び方、周りにあるほぼあらゆるものとのつながり方を一変させる
テクノロジーの新しい使い方です。しかもこれは、ほんの始まりに
すぎません。

さあ、新しい世界をのぞいてみましょう。

 教育機関や職場でARが活躍する未来を提示していますし、自社としても力を入れていくと意気込んでいます。

であれば、今回のiPadのアップデートはその第一歩として納得がいきます。

ただ現状として、身の回りで拡張現実をうまく取り入れているのは、一部のゲーム(ポケモンGOやドラクエウォーク)や地図のリアルタイム表記(拡張現実を用いた案内表記)などで、あまり見ることがありません。

 

テクノロジーのデモとして、見る分には面白いですが、なかなか日常に根付いた使い方というのは想像し難いですし、どのように広げていくのか非常に気になります。

 

 

 

 

 

iPad Pro2020モデルの進化は正直微妙というところと、保守的なアップルの様子にやはりサービスを大切にしている姿勢を勘ぐってしまう発表でした。

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