ポケモンを減らすというゲームフリークの判断は悪か善か?
ポケモン新作が本日発売を迎え、往年のファンの方や久しぶりに買った方もいるかもしれません。
発売前から色々と波紋を呼んだ今作、具体的には「過去作のポケモンが一部登場しない問題」や「グラフィックが陳腐」「ゲーフリのプロデューサー増田氏の対応」などなど、兎にも角にも話題に事欠かない最新作。
今回一番の焦点になっている「過去作のポケモンが一部でない」という件に関して、少々首を突っ込んでみました。
一部登場するポケモンやリーク情報を踏まえているために、今から今作を遊びたくてネタバレを避けたい方は、閲覧をご遠慮ください。
ポケットモンスター ソード|オンラインコード版&【予約者限定特典】「ポケモンひみつクラブ」のメンバーになれるシリアルコード 配信
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2019/11/14
- メディア: Software Download
- この商品を含むブログを見る
ポケットモンスター シールド|オンラインコード版&【予約者限定特典】「ポケモンひみつクラブ」のメンバーになれるシリアルコード 配信
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2019/11/14
- メディア: Software Download
- この商品を含むブログを見る
目次
ポケモンは既に限界的な量?
いきなりゲーフリを擁護するようですが、相当な労力をサンムーンの時点で感じています。
ポケモンは初代で151匹、そしてその次の作品となる金銀で100匹をまるっと追加、137、107、そしてブラック/ホワイトの156匹の追加を最後に100匹を超える新ポケモンの追加はなくなった。
しかしこの時点で600を超えており、それらを毎作作り直していた。新ポケモンの減少は、モンスターの種類自体のネタ切れだけでなく、作り直しの労力削減もあったと考えられよう。
もし仮に今作で登場するポケモンを過去作含めて登場させる場合は、900体近いポケモンをフル3Dで描かなければいけません。それに今作は本体がスイッチに移行したことで、より細かなグラフィック表現やポケモン自体の表情の変化なども見られるので、完全再現するためには開発現場は地獄に等しくなる。
今作の全国図鑑では登場するポケモンは400体と言われています。
個人的にはモーションや表情の量を考えれば「まぁまぁ」な量かな…と思います。とは言え、ポケモンは各ポケモンに熱い思いを持ったファンがいますし、今までの作品で一緒に冒険した相棒のようなポケモンもいるでしょう。
そういう人にとって、自分の愛着のあるキャラクターが登場しないと言うのは確かに悲しい気がしますね。
他ゲーと比べて
ドラゴンクエストシリーズに登場するモンスターを集めて、戦わせるドラクエモンスターシリーズ。配合システムによって、自由度の高い育成が楽しめるのが今シリーズの特徴。
最新作であるジョーカー3Pでは700体以上、過去作で一番多かったのは3dsで出たイルルカの803体である。これはポケモン前作であるUSUMの806体に近い登場数だ。やはり800体というのは、暗黙のリミットラインなのかもしれない。
しかもドラクエは全く同じフォルムに色だけ違くて別個体だったりするので、モデルデータの作成に要する時間はポケモンの方が上かもしれない。
ソシャゲやプラウザゲーの一部では、色違いやエフェクト追加も別個体カウントして、1000体以上が登場するゲームもありますが、その全てが2Dですし、ボイスはついていることが多いですが、特別動いたり3Dになったりはしません。
つまり、ポケモンのようなフル3Dでモーションが用意されていてボイスもついているような育成ゲーム(コレクションゲーム)において、800体というのは大大大快挙だったんだと思います。
単純な数の話ではないのですが、スマッシュブラザーズSPが全員参戦と発表されたとき、世界中のファンから喜びの声&開発者目線からも「凄すぎる」というリアクションがあったのは記憶に新しいです。
現在79体ものファイターがいますが、ここのキャラに特殊なモーション、ボイス、表情の変化や、8つのカラーリングが設定されており、とても使い回しできないような多種多様なキャラクターを1からモデリングしているのは脱帽ものです。
ですが、これはファイターは減るモノという通例から「全員参戦」だから熱かったのです。当然のように過去作のポケモンが全て使えた前作から半減した今作のポケモンは、仮に900体登場させても悪く言えば「当たり前」と思われてしまうかもしれません。
モデリングの使い回しか無料アップデートか
ドラクエジョーカーシリーズもよくやっているのですが、グラフィックの使い回しで登場するキャラクターの数を増やす手法はあります。
おそらくソード・シールドに次ぐ完全版のようなものが出ることになるでしょう。その際に大量に過去作のポケモンを追加することをもしかしたらゲーフリが検討しているかもしれませんし、はたまたMHWのように無料で過去作のポケモンが登場したりするかもしれません。
外見のグラフィックの話だけで言えば、今作登場したポケモンをそのままグラフィック&モーションで次回作に出す可能性もあります。
現在地を使って遊ぶ「ポケモンGO」ですら500体以上います。せっかく作った3Dデータを活かさない手はないとも思います。
また、今作はポケモン正規シリーズでいえば、かなり美しいグラフィックスですが、同じゲーム機で全世代機でも出ていた「ゼルダの伝説BOTW」に見劣りしているのはなぜでしょう。
確かに、ゲーフリ自体そこまで技術力のある会社ではないと思いますし、チーム自体も大きくないとは思います。ですが、キャモメがスイーっとワイルドエリアで平行移動したりしているGIFが出回って笑われたりしているのは流石に悲しくなりました。
任天堂はHD機に移ったときに、技術力が足りなかったのでバンダイナムコと協力して「マリオカート8」を作ったりしているわけです。
ポケモンに求められているものは何なのか?ということに話は帰結します。
- BOTWのような息を呑むようなグラフィックスで生き生きとしたポケモンたちを見たい
- 激しいアクションバトルをポケモンでしたい
- たくさんの種類が出るポケモンを全て使えるような作品が良い
- 新しいんだけど、正統続編感のある王道ポケモンがしたい
色々あるとは思います。
ゲーフリもおそらく考えた結果が現状だと思っています。結果はAmazonレビューは杜撰ですが、スイッチで過去一番のセールスを叩き出していますし、発売ホヤホヤのスイッチライトの販売促進にもつながっています。
私としてポケモンの現象は、シリーズそのものを短期的に見た場合は悪であるが、これから10年後のブランディングという上では今作は節目として良いと思います。クラッシュ問題など一部を除けば、減らしたポケモンに見合うような作りになっています。