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退屈は嫌いか?

ゲームが無意味な時間という記事がバズっているので、料理してみた。

https://anond.hatelabo.jp/20191102151637

 

はじまりはこの記事にあります。

 

けっこうオタク系の趣味は持っているんだが、俺はゲームを一切やらない。
携帯ゲームですら手は出さない。別に自分に禁じているわけじゃなくてやる気にならない。
中学生ぐらいまではちょこちょこやっていたけど今はまぁ絶対ないな。
周りはみんなゲームをやってるんで(オタクかどうか問わず)それを知られるとけっこう不思議がられる。
むしろ俺はみんながなぜゲームに時間をかけられるかが謎だ。それほど魅力があるとは思えない。
これから俺がゲームをやる気にならない理由を書いてみようと思う。
ゲームが好きな人はもしよかったら反論をしてみてくれ。リアルでやるとウザがられるしな。
ちなみに断りが無ければ基本的にコンシューマーのビデオゲームを想定して書く。


(1)値段が高い
いきなり貧乏臭い理由で申し訳ないがこれも理由に入る。
スーファミからプレステに移行することで安くなったとはいえ、
それでも6000円~8000円はしてしまう。これは高い。
映画のレンタルなら一本300円だと仮定して、20本は借りられる。
色んなジャンルを20本楽しめる映画に比べて
ゲームは一本でこんなにするので何だか損した気分になる。
ただし、別に安くなったとしてもやらないかもしれない。
それは以下の理由があるからだ。


(2)プレイに時間がかかる
おそらく最低でも20時間はかかるだろう。
それだけの一人の時間を確保するのがたいへん。
一日一時間として20日もクリアまでかかるし、
一本の作品に何十時間もかけるよりも、
必ず二時間以内に終わってくれる映画のほうが安心。


(3)話題を共有できる範囲が狭い
小学校であれば一つのゲームを友達全員がやっていたりするが、
今はゲーム不況でぜんぜんゲームが売れていないので、
そのゲームの話題が通じる相手が必然的に狭くなる。
何千円も何十時間もかけて話題を共有出来る相手が
あんまりいないのはなんだか寂しい。


(4)実生活へのフィードバックが少ない
ゲームをクリアしたって実生活への変化は何にもならない。
得点集めるなら電気屋のポイントカードの方がマシだし、
DDRやるんなら実際にダンスやっちゃった方がいい。
就職面接で「DDRに打ち込んでました」って言ってもまったくプラスにならない。
ゲームやってる時間にハウトゥー本読んで実践した方がマシ。
ゲームなんて時間をドブに捨ててるようなもんでやるだけ無駄。
こんなもんを「やってて当然」みたいな風潮があるのはほんとに残念

 

この記事がバズりにバズっています。賛否両論ですが実に面白いと思います。インターネットという自由な言論空間において、こういった趣味の本質的なことを文字の表現に難あれど、きれいに言語化しているという点において興味を惹かれました。

 

ゲームはどこまでも仮想現実

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多様な人がいて、多様な趣向があって、好きな人もいれば嫌いな人もいる

ぶん殴られるかもしれないので、一言断っておくと私はかなり10代の間ゲームをしていました。病的なレベルで。

 

上の人が言っている部分で気付かされるのはゲームというのは、どこまでも仮想現実でしかないのです。その仮想体験を「観る」だけだった映画を「遊ぶ」という点において受け手を世界に参加させます。

ゲームの中であれば、映画であれば俯瞰的に人を殺すシーンが用意されていますが、ゲームの場合トリガーはプレイヤーの指にかかっています。当然現実の人を殺すのではなくグラフィックにテクスチャが乗った絵を撃っているに過ぎません。

しかし、ゲームはそこにリアリティをもたせることで現実に近い動きを再現しようとしています。テトリスやパックマンのような完全にオリジナルの世界観を持つものは、特異な例ではありますが、ゲームの殆どはわかりやすい敵、人間、家、木などが描かれており、どういうふうに動くのかをある程度想像できます。

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一定の自由と統制のバランスがゲームを形つくります

そのある種のリアリティを敷居を下げた仮想体験にデフォルメしているのがゲームの世界です。完全なリアリティを再現するのはコントローラー、マウス、キーボードといったデバイスを仲介している時点で不可能と言えます。

それが記事に書かれていた(4)に書かれている実生活へのフィードバックがない。という点を孕んでいるともいえます。

ダンスをするのとDDRをするのとは本質的に意味は違うのです、サッカーをしたい人がウイイレをして、ゴルフをしたい人がWiiSportsをするのは、意味がまるで違います。

 

一見現実と全く同じことをしているような将棋や麻雀ですら、ゲームの場合は詳細な牌の動かし方や作法などが省略されたり、待ち時間が無限だったりとゲームだけでそれらのゲームを完全に理解したとは言えない状況に立たされます。

ゲームはどこまでも仮想現実です。教習所においてあるドライブ演習も、本物のギターを使った音ゲーであるロックスミスも、それだけでは物足りないです。

なぜなら限られた制限の中での自由こそがゲームの核だから、プログラムされたもの以外の行動が許されないという、現実との差が含まれています。

 

 

 

 

 

ゲームは高い&長いの歴史がある

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2016年に一番流行った映画は「君の名は」であり、興行収入は約235億を叩き出している。それでは時を同じくし2016年のゲーム業界で一番売れたのは「ポケモン サン・ムーン」だが、こちらは推定165億売れている。

実際に制作陣にすべてが落ちるわけではないにせよ、ゲーム機を買ってゲームをするというのは映画館に行くだけで1000円ちょっとで観ることのできる映画より狭いニーズといえます。

 

ゲームは昔から映画より高かったし、本や映画に比べて一区切りがつくのに時間がかかる趣味だった。一種の達成感を感じるためには、高難易度の敵を配置したり、レベル上げを強いられたり、謎を解く必要がある。その過程が楽しくもあるし、ゲームの醍醐味はそこにあると言えます。

サクッと遊ぶことができる短い作品も近年は増えて入るが、それでも10時間くらいかかる。ユーザーもそういった環境に慣れているので、ボリューム不足と嘆かれないように、最低でも10時間以上かかるゲームが増えてしまうのでしょう。

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単純に5000円以上払って数時間で終わったらガッカリだ



これは制作費が高騰しているから、と騒ぐ人もいますが、平均的な制作費用は大した差はないです。単に昔からある価格設定とボリュームを維持しなければ売れないという今までの流れがあってこそ。

(2)で語られていた時間がかかるというのは本当にそのとおりで、ゲームをしているとあっという間に時間は過ぎていきますし、PVPのようにキリがないものも出てきています。1円辺りにかけられる新鮮な体験の時間としてはコスパの優れた趣味であると言えますね。

 

 

 

ゲームに取られた時間は無駄ではない

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そもそも話題の記事全般に言えることですが、損得感情でやっている人間は少ない。

ゲーム自体は時間も金もかかって、人と共有するのも難しいという話ではあったものの、ゲームやっていることによって覚えられることもある。

基本的にゲームを遊ぶ上で爆発的ヒットの影には子供が絶対必要不可欠だ、CODもマリオもドラクエも学生が買うからバズる。学生のうちにゲームをしておけば学べることがたくさんある

  • スポーツのルール
  • 車や銃、花や魚や土地の名前
  • 横文字(エクソシストやサブマリン)など
  • 成功体験

 

こういったことを簡単に学ぶことができます。それらが直接的に影響を及ぼさずとも、どこかの話のネタになったり、人と人とをつなぐ共通の話題になること間違いなしです。

それこそ脳トレ、ベクトルは変わっても絶体絶命都市、桃太郎電鉄などは遊んでいてためになることが多々あります。

しかもゲームは映画よりも繰り返し遊ぶ(復習性能)が高いので記憶に定着しやすく、一度覚えたら数年後も覚えているのです。

 

 

 

一つの記事から派生して色々と書いてしまいましたが、スマホで一番使われている時間で多いのがゲームだと、マイクロソフトやアップルの調べでわかっています。

今回はここまで、また次回があればこの続きを書きます。