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退屈は嫌いか?

TES6はハンマーフェルらしい? 次世代機で揺れるベセスダゲームズ

ベセスダゲームズゲーム業界は盛者必衰。諸行無常のメーカー争いが続いています。

かくいう我らがベセスダゲームズは窮地に立たされていると言っても過言ではないでしょう。PS3/XBOX360時代では、バグこそあれどその不満を超えるような内容とクオリティを誇っていましたし、まだ洋ゲーというものがコアなファンにしか受け入れられないものになっていたという時勢もあります。

 

特に国内でもユーザーを一気に増やしたのは、2011年に発売されたスカイリムでしょう。その名の認知度も高い上に、当時世界中を震撼させたクオリティに圧倒されたユーザーが多数現れました。

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雲よりも高い山、冷たい風、どこか物悲しい人々

FALLOUT3の成功もあって、そのプレイスタイルの幅の広さから実況も盛り上がっていたと思います。

 

今でも色褪せない不屈の名作。他の追随を許さない圧倒的な自由度がこのゲームには詰まっています。まさしく「R(roll)をP(playing)するG(Game)」に間違いありません。

The Elder Scrolls V: Skyrim SPECIAL EDITION 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

The Elder Scrolls V: Skyrim SPECIAL EDITION 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

 
The Elder Scrolls V: Skyrim(R) - Switch

The Elder Scrolls V: Skyrim(R) - Switch

 

 

 

 

では昨今はどうだろうか?

ベセスダは圧倒的なトッド政策指揮による「世界の構築」に長けたスタジオです。ゲームという間隔を与えるよりかはプレイヤーがその世界に没入し、冒険をし、まさしくロールプレイしていくというのが、TESシリーズそしてFALLOUT3以降のゲームの特徴として言えます。

ところがFALLOUT4やTESO、FALLOUT76など、立て続けに全世代のような盛り上がりを見せられていません。もちろんゲームのクオリティが低いわけではないですし、重厚な世界設定は残っています。しかし「自分たちがなぜ前世代で注目を集めたのか」ということに気づいていないような気がします。

シューター要素を強くしすぎて、声を入れることによりロールプレイの幅を狭めてしまったFALLOUT4、オンライン要素を入れたことでロールプレイに置ける肝心なゲームマスターを個々に委ねてしまったESOとFO76。特に76のNPC不在というのは(アップデートで追加予定)非常にミスジャッジだと思う。お得意の特徴のあるユーモアやストーリーテリング、バラエティに富んだミッションは何処へやら、スマホMMOのような「お使い」「お使い」「お使い」の作業感が強くなってしまっている。

 

 

これにはもちろんベセスダのゲームデザインが不安定なこともあるが、SKYRIMやOBLIVION、FALLOUT3に感化された(言い過ぎかもしれないが)メーカーがPS4・XBOXONE世代になってから高品質なオープンワールドを作りあげていることも挙げられる。

まず名前に上がるのはやはりウィッチャー3だろう。独自のAIの導入で開発のリソースを内部密度に集約させ、ありとあらゆるアワードを総なめした10年に一度の傑作と言っていい。

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モンスタースレイヤーとして世界を巡り、旅をしよう

このゲームが非常に優れている点は様々言われているが、「丁寧に作られている」の一言に尽きると思う。素人目で遊んでいてもこのゲームがいかに時間とお金をかけて作っているかがすぐにわかる。プレイヤーのロールは「ゲラルト」として予め決まっているし、「メインストーリー」は進めば突然違う場所に行ったり、長いムービーが入ったりはするがプレイヤーはそこに引き込まれるし、度重なる選択を用意することでプレイヤー=ゲラルトという認識を掴んで離さない。グラフィックMODを入れなくとも美しいし、アクション性も高く戦闘も幅広い。

 

他にもゼルダの伝説BOTW、Horizon Zero Dawn、WATCHDOGSシリーズなどなど今世代は作りが丁寧で、圧倒的な世界観を用意したゲームが多数出されている。さらには近いところでサイバーパンク2077なんてゲームが出てしまう。個人的にはこれがここ数年で最高のベセスダキラーだし、CD PROJECT REDも攻めたクオリティに仕上がっている

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無数の選択肢を通じて自分だけのストーリーを体験することができる。

www.spike-chunsoft.co.jp

【PS4】サイバーパンク2077

【PS4】サイバーパンク2077

 

 

 

しかしカルト的な人気を誇るベセスダのファンにとってはそんなゲームは有象無象。

完全に近いロールプレイと大量の設定資料、極上のオフライン体験を作り上げられる会社は彼らしかいないのだ。そんなファンの為にもTES6では舵きりを誤らないで欲しい。

 

 

 

10TFLOPSの次世代機で描くTES6

一般的に今世代の10倍以上の性能を誇ると言われている次世代機にTES6が用意するクオリティはいかがなものか?

画面解像度4K対応は当たり前、ロード時間は瞬きするような速度、120FPSにまで家庭用機がついに対応してしまうような世界だ。これに関してはTES6に限らずROCKSTARをはじめとする他会社にも言えることではある。

 

一般的にネットの声で求められていることとしては

  • ユーモアのあるクエスト、ストーリー性があって分岐がある
  • 雪山だらけではない代わり映えのする景色
  • オブリのような魔法カスタマイズ(戦闘スタイルに幅が欲しい)
  • キャラデザの改善(ESOや76は大分よく感じた)
  • 回避動作が欲しい(ローリング?)
  • 空を飛び回りたい(パラセール的な?)
  • モンスターの種類を増やせ
  • 仲間を多く連れてあるけるようにして欲しい

などなど様々です。その反面他のオープンワールド次回作で求められる「広さ」や「グラフィックス」に関する声はあまり聞こえませんでした。

やはり広さ<密度を求める人が多いということ、それとMOD製作者を慮ってグラフィック進化は控え目といった声が大きいのかもしれませんね。

個人的にTES6やスターフィールドのアナウンストレーラーはプリレンダではあるもののかなり美しかったので、リアルタイムでももしかしたら…と思ってしまいますけどね。

youtu.be

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もしベセスダが本気でハンマーフェルを再現するのであれば、国一つ分の正確な人口、土地の広さ、縮尺を用意し、そこに読みきれない量の本、数えきれないNPCの数々、危険に満ちたダンジョンを自動生成含めて用意し、豊富な種類の武器と防具とアイテムを用意して待ってくれるかもしれません。

私が思うに開発に優秀なAIが携わる未来のゲームスタジオでは、そういったことが今よりもずっと低予算で実現できるかもしれません。しかし現状では上記のような内容のゲームを作り上げるには7年以上の時間と凄まじい資金が必要なことをRDR2とロックスターが教えてくれました。

 

ダガーフォールで現実世界のイングランドとほぼ同サイズのゲームを作ったことで有名な彼らですが、現世代のグラフィックスでそれほどまでの広さを描くとなれば代わり映えしない景色とまるで核戦争でも起きた後かのような世界の密度の薄さに驚きを隠せないことになりそうです。

 

 

 

なぜハンマーフェルなのか?

第一にタムリエル(TESシリーズに舞台になる大陸)には様々な種族が住んでいることは知っている方が多いと思いますが、大きく分けて人間と人外(獣人)がいますよね。

 

スカイリムもオブリビオンも人間が故郷である地域を舞台にしたことでプレイヤーが馴染みやすく、登場するNPCにも愛着が湧きました(もちろんそのいくつかは愛らしい獣人であったことは否定できません)。しかしTES6の舞台をブラックマーシュやエルスウェーアにしてしまうとどうでしょう。ケモナーは歓喜するかもしれませんが、商売的に成功確率は下がってしまうでしょう。侵略されて人間と共存していたとしても、ブラックマーシュなどは設定資料に基づけば不毛の土地、プレイヤーが望んでいる美しい景色や変化のある街並みを見ることはできません。

 

ということから舞台はダガーフォールやハンマーフェル、ハイロックなどの人間の故郷に絞られました。そしてトレーラーで映っていた「岩山」「広野」「山岳地帯」という情報。そしてゼニマックスが商標申請した「RedFall」という名前(噂では中国版FALLOUTという声もあるが)。建築様式がブレトン達のそれとは違うという意見からハンマーフェルなのではないか? という意見が挙げられている。

個人的にはまだ舞台はやんわりとしか決まっていないんじゃないか? とすら思う。SKYRIMくらいダイレクトな商標申請があれば別だが続報が出ることに期待をしてしまう。

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参考までにESOのハイロック(ブレトンの故郷)の建築様式

ハンマーフェルには森林や青い海、山岳地帯や丘陵地帯などが揃っている。冒険の舞台としてスカイリムからはかなりガラリと変わる印象だ。

そこでまたたくさんの物語が描かれることだろう。2020年以降の発売になるとは思うが、早くゲームプレイ映像が見てみたい。その期待の反面やはり、サイバーパンク2077がポストフォールアウトのような印象を植えつけられてしまった私としては、どのようなクオリティで用意してくるのか? どれほどの幅までロールプレイをさせてもらえるのか? 気になるところだ。

 

また同じく発売時期未定、対応機種未定の宇宙を舞台にしてスターフィールドに関しても同じく期待している。こちらもまたロールプレイ可能なシューターゲームの予感がする。今世代では落ち着いていたベセスダの猛攻は次世代機で見ることができるかもしれない。非常に開発スタッフには頑張って欲しいところだ。