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退屈は嫌いか?

メーカー側に変化から観る。 PS5や新型スイッチ以降の次世代のゲームの売り方。

ゲームというコンテンツの売り方に近年変化が起きている。それにみなさんは気付くだろうか?

今回はそれらを分析した結果、今後のゲーム業界全体の売り方が変わっていく可能性が高いと見ている。開発費の高騰や国内においてはゲームが全盛期(DSやWii)ほど売れないなど叫ばれているが、メーカーもそこにテコ入れを入れようという気合いすら見えてくるかもしれない。

 

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①古来からあるフルプライス販売 

ファミコン、PC、スマホ、どこでも見るような売り方。

最近だと、初回購入特典別に価格設定を分けたり、予約特典などで積極的に発売日に買ってもらう流れが多い。

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任天堂も最近ではDLC販売に乗り気だが、古典的な売り方も多い


 

追加コンテンツという追加コンテンツすらも、無料アップデートのみで終わる。

作品例:デトロイト、SEKIRO、ポケモン、ドラクエ

 

 

 

 

②フルプライス販売+有料追加コンテンツ 

PS3以降のオンラインにつなげる環境だからこそ生まれた販売方法。これらは追加エピソードなどをDLCとして販売する方法はもちろんのこと、最近ではゲーム内のスキンやゲーム内通貨を課金して購入するなど多様化している。

どちらかというと、有料コンテンツありきで成り立っているというよりかは、本編を楽しんでもらったお客様にプラスアルファで楽しめる内容を提供していることが多く、その後のDLCを詰め合わせた完全版などで作品を細く長く続けられる利点がある。

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追加DLCに関してはメーカーごとにかなり満足度が違うようだ

作品例:ダークソウル、DEADORALIVE、ペルソナ5、OVERWATCH

 

 

 

③基本無料+有料課金コンテンツ

最近伸びてきた売り方、もちろんPS3時代もあったし、もっと古くからいえばPCのメイプルストーリーなどであった売り方だ。

昔は課金すると自身が強化されたり、レベル上げをお金で解決するものが多かったが、昨今は対戦型FPSでスキンなどを変更できるものも出てきた。

基本無料という窓口の広さと、その中でいかに価値を見出すかが重要で、基本的に恩愛んゲームであることが多い。故にスマホゲーでもよく観るが人気がなければサービス終了してしまうこともしばしばあるようだ。

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有料コンテンツはスキンや装備品などゲーム性に依存する

作品例:フォートナイト、モンスト、荒野行動、第五人格

 

 

 

 

④定額制サービス

基本無料よりは敷居は高いが、追加されるコンテンツは非常に豪華な販売方法。元々のコンテンツにある程度のブランド力がないとできない販売方法だが、当たれば巨額の資産を生み出す販売方法。

ゲーム単体に払う場合も多いが、クラウドゲームに代表される「プレイステーションナウ」や「STADIA」などはこの売り方に近い。

こちらも③と同様にアクティブプレイヤーが減ってしまうとサービス終了になってしまうので、10年、15年と遊べるゲームかと言われると一重にそうはいえない。

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FF14はこの売り方で世界で成功している例の一つ

作品例:ドラクエX、FF14、モンスターハンターF

 

 

 

昨今の人気タイトルから見る業界の変化

PS3の時期から今を比べると驚くほどゲーム業界の趨勢が変わってきている。メーカーの母数は圧倒的に減ったが、インディーの活気は増え、AAA級のタイトルが必ずしも売れるという時代でもなくなった。

 

技術力<純粋な面白さへ

PS3以前では、ゲームの中にテクノロジー的なものがあれば売れるタイトルというのがあった。

グラフィックが頭一つ抜けているとか、他の追随を許さない広さのオープンワールを用意したゲームだとか、音声を使った飼育ゲームなどが発売され売れ行きもそこそこ出せていた。

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ゼルダの伝説は決してグラフィックが美しいゲームではなかった

それよりかは「遊びやすさ」や「新鮮さ」「純粋な面白さ」みたいなところにユーザーの趣向は動いている。

高グラフィックに良質サウンドのBF5よりも、純粋に遊んでいてストレスのなく無料で遊べるApexLegendsの方が人口は多いし満足度も高い。

シリーズ初の箱庭で伝統あるシリーズのFFXVよりも、懐かしのドットで描かれた独特の世界観を放つUNDERTALEの方が遊んだ人の平均評価は高い。

やたら広いマップを歩かせるのではなく、あえて限定的にすることで濃密な体験を可能にしたゲームの例としては「モンスターハンターワールド」が挙げられるだろう。もし古代樹の森があの4倍の広さならば、移動が面倒臭いだけだろう。

正直メーカー側もグラフィックはかなり頭打ちなはずだ。もちろんこれ以上の真価がないわけではないが、既にグラフィックが良いというのはあくまでセールスポイントの一つに過ぎず、買い手の決め手には繋がらない。

 

ジャストコーズの売上と評価の右肩下がりや、無双シリーズの衰退はこういったところからも見てとれる。単純な「すごい」にゲームユーザーは飽き飽きしている。スマホにはないある程度のゲーム性を担保した上で、濃い体験を生み出せるかが鍵になりそうだ。

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ライフイズストレンジもストーリー>グラフィックの証明の一つ

 

 

 

大手メーカーはIPを長生きさせたい

ゲームメーカーの開発費が世代を追うごとに時間とお金がかかるのは既知の通りだが、メーカーとしては一度ゲームを出して3,4年は音沙汰がないという状態を作りたくない。

一度でたゲームを2年も3年も遊んでもらうという手法が近年増加している。あくまで追加コンテンツならば、メーカー側はゲームの元のアセットを使い回しすることもできるし、不正なツール使用者をBANするなどの管理に回る。

アクティブユーザーが留まり続ければ、課金してお金を落としてくれるのでうまくいけば、新作を作るよりも安定的な利益を叩き出せる。

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モンハンもMHW:Gをアイスボーンと銘打って発売する

一つのタイトルを0から作るよりも、既に1のタイトルを1.1、1.3とバージョンアップすることで、ユーザーを飽きさせないと共に、満足度を高めていく。

事実、レインボーシックスシージやスプラトゥーンは発売日に買った人は継続的なメーカーのサポートで長く楽しめた方も多いのではないだろうか?

今後もこのように、一年に出るタイトルの数は減るが、個々ののソフトで1年以上は遊べる。という状況は生まれてくるだろう。

 逆を言えばCODやアサクリが毎年新作を出していたのが、マンネリ化するのも当たり前である。

 

 

 

 

 

一時期よりはゲームが沢山出てくるかも

一つ前と言っていることは違うが、今後は良質なゲームが多く出てくる可能性が高いとも言える。理由としては、最初に言ったように「グラフィックスの頭打ち」だ。

メーカー(特に国内)もHDゲームの開発にだいぶ慣れてきたようで、カプコンやフロムソフトウェアなどは現状毎年海外メーカーに負けないクオリティのゲームをバンバン出している。

これはゲームエンジンの存在が大きく、カプコンのREエンジンなんかは実際にある小道具や人間をカメラでスキャンするだけCGを生成することができたり、ウィッチャー3を作っていたCD Projekt REDはAIを用いて開発を効率化したりなど、各社工夫に富んでいるし、実際成功している。

 

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今世代でグラフィックスの進化は一旦峠を迎えている

こう言った数が増えてくるであろう時代において、ガラパゴスになっている企業が逆に危ない。ポケモンを作ってるゲームフリークは「ポケットモンスター ソード/シールド」のキャモメ問題が話題になっているが、携帯機にばかりゲームを出していると、HD機に出した際に圧倒的に見劣りしてしまう。他にもスクエニなどはPS4世代になってからエンジンの開発に失敗してアンリアルエンジン4を用いて頑張っているが、開発ペースはPS2の頃からは分かりやすく遅いことがわかる。

 

AAA級のゲームの話が多かったが、インディーゲームなども勢いがある。続々とタイトルが出てくるし、彼らは大手メーカーが考えつかないような奇想天外なアイデアを持ち込んでくれるし、ユーザーにとっても新鮮な体験をこれからも提供してくれるだろう。

 

 

 

 

ユーザーがつくる+α

メーカー側が作ったもので終わるのではなく、ユーザーのコミュニティやユーザーがフィードバックをメーカーに送ることが増えてきている。

対戦型FPSなんかだとチーターによる被害が増えれば人が減るのでメーカーはチーター対策を日々しなければならないし、ユーザー間でコミュニティが生まれれば知らない人同士でチャットをしたり、あるいは仲の良いリア友と一緒にオンラインでゲームをするというシーンが増えてきている。

他にもSTEAMなどではMODというユーザーが作った追加コンテンツを使えば「PORTAL」や「SKYRIM」などはほぼ無限に遊べてしまう。単純な作ってそ遊べるゲームとしても「スーパーマリオメーカー」や「Dreams Universe」なども業界の流れとして盛り上がっている(古くはリトルビックプラネットやマインクラフト)

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このようにメーカーが思いもしない二次創作的な広がりを見せることが多い昨今のゲーム。YoutubeやTwitchのストリーマーを中心に人気に火が付くこともある。 

このように意図せぬバズりが起きるのが、PS4世代になって増えたように思う。